[基本理念]
 必ずしも難病に限らない病気の治療法や治療薬の開発として画期的なものが、近年幾つか出てきています。その中には iPS 細胞を用いた網膜シートの移植や、アデノシンデアミナーゼ欠損症の遺伝子治療など、高度なものもあります。基盤的な知を生む営みとしての生命科学の基礎研究は、少なからぬ場合において病気の治療法開発を視野に入れていますが、研究成果の積み重ねが治療法として結実するまでの道程は一筋縄でないことの方が普通です。他方で、その病気の治療法に人生の光明を見出している患者や医療従事者の存在も大きく、科学と社会の関係における「役立つ」ことの具体例として確固たる地位を占めています。
 基礎と臨床をつなぐ研究の担い手は、多くの場合、臨床医療方面に過剰な期待を抱かせないよう細心の注意を払っていますが、患者やマスメディア関係者には大きな期待を寄せる向きもあります。そうした中で、最先端の科学技術が「役立つ」ことの難しさを、異なる分脈で受け取る事態が往々にして生じますが、それを我々はどのように乗り越えたら良いのでしょうか?
 最先端の基礎医学の研究を題材として、研究者、患者、ELSI(倫理的法的社会的問題)の側面から俯瞰する者の間の対話を通じ、基礎と臨床の距離を直視しながら、基礎医学の研究や臨床医療の開発をしなやかに進めていくには何が必要なのかを、本音で考えます。

[およその構成]
 例年通り、前半がトークセッション、後半がワークセッションの構成。2時間半強を見込みます。

・前半;トークセッション
 異なる3つの立場からの話題提供を踏まえ、それぞれの立場の方々が思うところを率直に語っていただきます。
 1人は、最先端の生命科学の研究に従事し、その研究の延長線上に病気の治療法や治療薬の開発を視野に入れている研究者の方。どのような思いで日々研究に従事し、何に魅力を感じ、何に悩んでおられるかをお話しいただきます。1人は、実際の病気の当事者である患者の代表として社会活動なさっている方で、現在受けている治療や、医療の未来、その基盤となる医科学に関して、どのような期待や批判があるのかをお話しいただきます。1人は、生命倫理の視座を持つ社会学の専門家で、実際の基礎的な医科学、臨床医療の研究及び技術開発にどのような倫理的法的社会的問題が存在し、その当事者が誰であって、どのように問題群を整理していけばよいかを語っていただきます。
 話題提供者は以下の計3人。
 研究者;河本 宏さん(京都大学再生医科学研究所)
 患者;鈴木 信行さん(株式会社患医ねっと)
 社会学;粥川 準二さん(科学ライター、大学非常勤講師)

・後半;ワークセッション
 前半での問題点の列挙、論点の整理、問題の構造の把握を踏まえたうえで、後半は全員参加型のワークセッションを行います。ワークの手法には、参加者の気付きやひらめきを重視するものを採用します(ワークセッション担当者は当日のお楽しみに)。

[事前及び当日のお願い]
・当日は、場の雰囲気を和やかにするため、会場内の飲食(飲料程度)を可にしています。
・また、同じ理由で、原則として全ての方を「○○さん」とお呼びします。
・前半のトークセッションは、双方向的な対話を通じての相互理解を目指し、サイエンスカフェ形式で実施します。
・“政治的に弱い”立場の方でも気軽に発言できるように、また各種の権利保護の観点から、個人名(特にその本名)、所属、各種固有名詞などを伏せた発言や参加を許容しています。自己責任でこれらを明示しての参加を拒みませんが、他人にそれを無理強いするのはおやめ下さい。
・問題意識への直視と集中のため、悪口大会にはならないように、参加者への配慮をお願いしています。「批判」と「悪口」は別の概念として、我々は明確に区別したいと思います。


スポンサード リンク

開催概要

日時 2016年11月05日(13:00~16:00)
開催場所産業技術総合研究所臨海副都心センター別館11階・多目的室
(東京都江東区青海2-4-7)
参加費無料
定員15人(先着順)
申し込み開始2016年09月30日 23時25分から
申し込み終了2016年11月05日 09時00分まで
主催
タグ

イベント概要

2016年11月05日

本音で語る生命操作~基礎と臨床の距離どうする?~

東京都江東区青海2-4-7

http://kokucheese.com/event/index/428200/

[基本理念]  必ずしも難病に限らない病気の治療法や治療薬の開発として画期的なものが、近年幾つか出てきています。その中には iPS 細胞を用いた網膜シートの移植や、アデノシンデアミナーゼ欠損症の遺伝子...

イベントは終了いたしました。

スポンサード リンク